子宮内異物の摘出には胎盤鉗子等を用いた子宮内容除去術を行うことが多いが,時にその操作に難渋することがある.今回,子宮内に迷入し,膨張脆弱化したラミナリア桿を子宮鏡下に除去した一例を報告する.前医で子宮鏡検査施行後にラミナリア桿1本が挿入されたが,抜去時にラミナリア桿が破損したため当院に紹介された.破損ラミナリア桿は子宮内腔まで達していたため経腹超音波ガイド下での操作で摘出できなかった.子宮鏡を用いた観察で破損ラミナリア桿が内子宮口を全周性に塞いでいる様子を確認したが,鉗子による把持ができなかった.留置6日後レゼクトスコープを用いて直視下に浸軟したラミナリア桿を一部電気メスにより切削することによってループ電極と子宮鏡本体で挟んで除去することができた.難渋する子宮内異物の除去には子宮鏡を用いた直視下での操作が安全で有効である.
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