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第60巻 第4号

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症例報告
自然気胸に対して妊娠中期に胸腔鏡下手術を行い,硬膜外鎮痛法を用いた分娩管理により再発すること無く生児を得た1例
大木 崇広, 不殿 絢子, 衣斐 凛子, 牛木 詠子, 辰巳 嵩征, 羅 ことい, 廣瀬 明日香, 関口 将軌, 宮坂 尚幸
東京医科歯科大学病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 60(4):605-609, 2023

 妊娠中の自然気胸は稀で,その治療法や分娩管理について明確な指針は確立していない.今回保存的治療が奏効しなかった妊娠中期の自然気胸に対して胸腔鏡下手術を行い,経腟分娩に至った症例を経験したので報告する.症例は39歳2妊0産,妊娠22週に呼吸困難が出現し,胸部単純X線検査で右気胸と診断した.胸腔ドレナージを施行したが気漏が遷延し,自己血による胸膜癒着術を施行したが改善しないため,妊娠27週0日に胸腔鏡下肺瘻閉鎖術を施行した.以後,再発を認めず,妊娠41週に過期産予防目的で分娩誘発を行い,硬膜外麻酔併用で経腟分娩に至った.分娩中および産褥期においても気胸の再発は認めなかった.妊娠中の自然気胸に対し外科的治療は比較的安全に施行でき,保存的治療が奏効しない場合は手術療法を考慮する必要がある.また無痛分娩は分娩時の気胸再発のリスク低減に有効である可能性がある.

Key words:pregnancy, spontaneous pneumothorax, VATS(Video-Assisted Thoracic Surgery), epidural anesthesia
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