Klippel-Trenaunay-Weber症候群(以下,KTW症候群)は,脈管奇形症候群の1種である.今回,KTW症候群合併妊娠の2例を経験した.【症例1】35歳,1妊0産.妊娠初期より全身に多発した血管腫を認めた.妊娠38週1日に全身麻酔下での選択的帝王切開術と子宮全摘術を施行した.児は2,755 g,Apgar score8/9,臍帯動脈血pH7.348であった.術後7日目に増大傾向のある皮下血腫を認め,血管内治療による止血術を施行した.以降,術前より認めた低fibrinogen(以下Fbg)血症は新鮮凍結血漿とFbg製剤を適宜輸血するも改善せず,治療に難渋した.【症例2】38歳,3妊0産.妊娠37週2日に全身麻酔下で選択的帝王切開術を施行した.児は3,134 g,Apgar score7/8,臍帯動脈血pH7.315であった.術後弛緩出血のためバルーンタンポナーデを施行し,術後6日目に退院した.【考察】KTW症候群合併妊娠では凝固異常のリスクが高く,今回の2例を比較しても重症度の予測などは困難であり,様々な可能性を考慮して管理する必要がある.
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