妊娠中の腹腔鏡補助下手術では,第1穿刺の安全性確保や,小切開部位の選択に苦慮することも多い.今回我々は,妊娠30週右卵巣成熟囊胞性奇形腫破裂,妊娠28週右正常卵巣茎捻転に対する腹腔鏡補助下手術を経験した.患側上腹部からオープン法により第1穿刺を行い,カメラ観察下に子宮円靭帯子宮付着部を同定し,その直上に小切開を置くことで安全に手術を施行し得た.子宮円靭帯子宮付着部を目印として小切開を置けば,症例によらず小切開部と卵巣固有靱帯とは解剖学的に最短となり,付属器操作が容易となる.目印とする子宮円靱帯子宮付着部は,患側上腹部から穿刺したカメラポートからの観察により同定可能である.この第1穿刺と小切開の組み合わせは,妊娠中の腹腔鏡補助下手術に広く応用可能である.
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