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第60巻 第4号

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特集 第144回学術集会優秀演題賞演題
子宮頸部上皮内腫瘍の転帰は細胞診の結果で予測できるか?(子宮頸部上皮内腫瘍275例の検討)
浅野 史男, 森定 徹, 百村 麻衣, 澁谷 裕美, 松本 浩範, 田嶋 敦, 谷垣 伸治, 小林 陽一
杏林大学医学部産科婦人科学教室
関東連合産科婦人科学会誌, 60(4):737-744, 2023

 [緒言]子宮頸部細胞診の子宮頸部上皮内腫瘍(cervical intraepithelial neoplasia:CIN)に対する感度は52%~70%程度と報告されている.本検討では,細胞診と組織診が同時に施行されたCIN症例の細胞診結果とその転帰について後方視的に検討を行った.[対象]2018年1月から12月に当院にてCINと診断された患者のうち細胞診と組織診を同時に施行した275症例を対象とした.細胞診および組織診の結果,フォローアップ期間中の病理組織学的な最終転帰等について後方視的に検討した.[結果]CIN症例において細胞診判定がASC-US以上を陽性とした場合の陽性率はCIN1:61.4%,CIN2:87.1%,CIN3:94.4%であった.また,CIN1/2におけるフォローアップ期間中の病理組織学的な最終転帰と細胞診結果について検討したところ,CIN診断時の細胞診結果と病変進展率の間に有意な差を認めなかった(CIN1:p=0.143,CIN2:p=0.056).[結語]CINの管理において,つまりCIN診断時の細胞診結果が陰性(=NILM)であっても,潜在的な病変の進展リスクは細胞診陽性例(≥ASC-US)と変わらないことが示された.そのため,CINの管理は細胞診とコルポスコープ下の組織診を併用した管理が重要であると考えた.

Key words:Cervical Intraepithelial Neoplasia, Colposcopy, Pap smear
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