─総説─
カンジダ血症マネージメント
時松 一成 昭和大学医学部内科学講座臨床感染症学部門
カンジダ血症は真菌感染症のなかで最も高い頻度で発生し,死亡率も高く,適正な診断・治療が必要な疾患である. カンジダ症に対するバンドルとして,血液培養2セット採取,疑い例でのβ-D-グルカン測定,24時間以内の中心静脈カテーテル抜去,適切な初期治療の開始,眼病変の有無の確認,症状の改善と血液培養の陰性化を確認した後2週間の抗真菌薬投与,などが提案され,これらを遵守することにより良好な成績が得られた事が報告されている.実践されるべき抗真菌薬適正使用支援プログラムとして,カンジダ血症では少なくとも発症早期と1週間後に眼科で眼病変の有無の診察,無菌検体から酵母様真菌が検出された場合の治療開始,病態が安定した治療が必要な長期例では経口薬へのstep-down治療があげられる. 本稿では,カンジダ症のバンドルやガイドラインで述べられている基本的事項の意義と解説,多職種の視点からみたカンジダ血症マネージメントについて述べる.
Key words:カンジダ血症, カンジダ性眼病変, 中心静脈カテーテル, バンドル, 抗真菌薬適正使用支援チーム
連絡先: e-mail:
issei@med.showa-u.ac.jp
受付日:2019年8月6日 受理日:2019年10月3日
35 (1):1─6,2020
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