─報告─
Antimicrobial Stewardship薬剤師主導による血液培養陽性患者への介入
佐々木 康弘1)6), 天野 美里1)6), 金丸 亜佑美2)6), 山口 明子3)6), 高安 博史4)6), 矢野 雅隆5)6) 1)公益財団法人東京都保健医療公社多摩南部地域病院薬剤科, 2)同 看護部, 3)同 検査科, 4)同 小児科, 5)同 泌尿器科, 6)同 抗菌薬適正使用支援チーム
多摩南部地域病院抗菌薬適正使用支援チーム(AST)は,2018年3月より血液培養陽性患者への積極的な介入を開始した.抗菌薬適正使用支援薬剤師は血液培養陽性患者の抗菌薬治療について監査を行い,経験的治療および標的治療の変更を主治医へ提案した.全247患者を評価した.介入後102回提案を行い,88%の受入率であった.介入前後におけるde-escalation率は55%から79%へ有意に増加した(p<0.05). 全抗菌薬の使用量は介入前後で変化はなかったが,広域抗菌薬のタゾバクタム/ピペラシリンは著減した.ASTが血液培養陽性患者へ積極的に介入することは,適切な抗菌薬の選択において重要であることがわかった.
Key words:抗菌薬適正使用支援プログラム, 菌血症, de-escalation
連絡先: e-mail:
yasuhiro_sasaki1@tokyo-hmt.jp
受付日:2019年11月8日 受理日:2020年4月20日
35 (4):157─162,2020
|