─報告─
薬剤師主導によるantimicrobial stewardship programの導入~導入後3年間での薬剤耐性率の評価~
佐々木 康弘1)7), 栗島 彬2), 天野 美里1)7), 金丸 亜佑美3)7), 山口 明子4)7), 高安 博史5)7), 矢野 雅隆6)7) 1)公益財団法人東京都保健医療公社多摩南部地域病院薬剤科, 2)独立行政法人地域医療機能推進機構東京新宿メディカルセンター薬剤部, 3)公益財団法人東京都保健医療公社多摩南部地域病院看護部, 4)同 検査科, 5)同 小児科, 6)同 泌尿器科, 7)同 抗菌薬適正使用支援チーム
多摩南部地域病院では,抗菌薬適正使用支援として薬剤師主導によるAntimicrobial stewardship program(ASP)を導入した.導入開始後10ヶ月での評価では第4世代セフェム系およびカルバペネム系抗菌薬の投与日数は減った.しかし,当時抗菌薬の感受性率に大きな変化はなかった.今回,ASP導入後3年間での第4世代セフェム系およびカルバペネム系抗菌薬の使用量と緑膿菌の耐性率について評価した.抗菌薬の投与日数は10ヶ月の介入後と変わらなかったが,緑膿菌の第4世代セフェム系およびカルバペネム系抗菌薬の耐性率は減少した.緑膿菌の第4世代セフェム系抗菌薬の耐性率と第4世代セフェム系抗菌薬の使用日数に有意な相関を認めた. 薬剤耐性率を減少させるためには,より長い介入が推奨される.
Key words:抗菌薬適正使用支援, 緑膿菌, 薬剤耐性
連絡先: e-mail:
yasuhiro_sasaki1@tokyo-hmt.jp
受付日:2020年4月8日 受理日:2020年6月9日
35 (5):201─205,2020
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