─報告─
感染管理認定看護師の感染予防・管理活動に関わる因子間の関連性について
中畑 千夏子1), 渡辺 みどり2), 坂田 憲昭1) 1)長野県看護大学人間基礎科学講座 病態・治療学分野, 2)同 広域看護学講座 老年看護学分野
本研究は,感染管理認定看護師の感染予防・管理活動に関わる因子間の関連性を明らかにすることを目的とした.日本看護協会が認定する感染管理認定看護師2,278名を対象とした無記名の自記式質問紙調査を行った.質問紙の回収数は708(回収率31.1%)であった.そのうち,有効回答が得られた698名分(有効回答率98.6%)について分析した.「看護師長相当」および「副看護師長相当」といった組織管理に関わる職位を有すること,勤務形態が「専従および専任」であること,「学会または研究会へ参加すること」が,感染管理認定看護師の感染予防・管理活動に関連していた.また,感染管理認定看護師が所属する施設に関する因子では,「診療報酬の感染防止対策加算を取得していること」が,これらの活動に関連していた.その加算の種別では,「感染防止対策加算I」を取得する施設への所属が感染予防・管理活動のうちの「医療関連感染サーベイランス」,「職業感染管理」に関する活動に関連していた.一方で,病床数「400床未満」の中小規模病院や感染管理認定看護師等の「複数配置がされていない施設に属すること」が,感染管理認定看護師が行う感染予防・管理活動のうち,「感染防止技術」に関する活動に関連していた.
Key words:感染管理認定看護師, 感染対策, 感染防止対策加算
連絡先: e-mail:
chikako@nagano-nurs.ac.jp
受付日:2020年8月28日 受理日:2021年1月19日
36 (3):166─171,2021
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