─短報─
新生児治療回復室(GCU)におけるRSウイルス感染症アウトブレイクの経済的損失
千賀 達子1)2), 佐藤 香理奈1), 高野 さかえ1)3) 1)東京都立大塚病院ICT, 2)同 小児科, 3)同 検査科
新生児治療回復室(Growing care unit;GCU)におけるRSウイルス(RS virus;RSV)感染症アウトブレイクを経験し,対応費用とアウトブレイクが影響したと考えられる入院収益減少から経済的損失を推計した.計5例がRSV感染症を発症し,全例が小児科病棟及びICUに隔離された.GCU入院制限は2週間,小児科・ICU病床制限は5週間に及んだ.概算で対応費用は518万円,新生児科・小児科の同月過去5年平均比入院収益減少は1,745万円だった.発症者の早期発見,パリビズマブ早期接種,新生児病棟の隔離病室設置はRSV感染症アウトブレイクの経済的損失を減少させる可能性がある.
Key words:RSウイルス, アウトブレイク, 新生児, GCU, 経済的損失
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受付日:2020年12月21日 受理日:2021年5月14日
36 (5):253─256,2021
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