─報告─
診療報酬改定を契機にASPを導入した市中病院のAST活動の報告
陶山 明日香1), 鈴木 佳子2) 1)医療法人社団明芳会板橋中央総合病院薬剤部, 2)同 看護部
板橋中央総合病院(以下,当院)は,2018年の4月の診療報酬改定で新設された抗菌薬適正使用支援加算後の2018年5月からASPを導入した.抗菌薬適正使用支援プログラム(antimicrobial stewardship program:ASP)は多くの施設で導入され,広域抗菌薬の使用量減少や薬剤感受性率回復の報告がされている.本研究では,診療報酬改定を契機に抗菌薬適正使用支援チーム(antimicrobial stewardship team:AST)を組織した市中病院のASP導入による効果を検証するため,当院採用の抗緑膿菌活性のある抗菌薬の使用量を主要評価項目,緑膿菌の薬剤感受性の変化とClostridioides difficile感染症(CDI)発生率,経済的効果,ASTによる介入症例の受諾率を副次評価項目として後ろ向き調査を実施した.ASP導入後に注射抗菌剤の薬剤費の減少とカルバペネム系抗菌薬の使用量を半減することができた.
Key words:抗菌薬使用日数(DOT), 抗菌薬適正使用支援プログラム(ASP), 抗菌薬適正使用支援チーム(AST)
連絡先: e-mail:
asuka0226s@gmail.com
受付日:2021年4月2日 受理日:2021年12月23日
37 (2):57─61,2022
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