─総説─
COVID-19流行下での手術治療戦略
畑 啓昭1), 佐治 雅史2) 1)国立病院機構京都医療センター外科・感染制御部, 2)同 救命救急科
日本におけるCOVID-19患者は,2022年4月時点で780万人を超えており,治療中の患者や既感染の患者に手術治療を行う機会が増えている.COVID-19患者に手術を行う場合は,以下の順に適応を考えるのが良い.1.術後合併症が多いため感染から7週間経過以降に行う.2.医療者への感染リスクを減らすために感染から10日間経過以降に行う.3.代替治療も困難であれば十分に感染対策を講じて緊急手術を行う.また,COVID-19患者であっても腹腔鏡手術の適応を変える必要はないが,サージカルスモークについて理解しておくことは重要である.これらの推奨の背景を近年の報告をもとにまとめた.
Key words:COVID-19, 手術, サージカルスモーク, 腹腔鏡手術
連絡先: e-mail:
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受付日:2022年5月16日 受理日:2022年6月7日
37 (5):158─163,2022
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