─報告─
SARS-CoV-2ワクチン(BNT162b2)接種後の抗体価の経時的推移
今西 亮1), 操 華子2) 1)特定医療法人丸山会丸子中央病院, 2)静岡県立大学大学院看護学研究科
BNT162b2ワクチンを接種した対象病院スタッフの抗体価の推移を調査した.当該病院で1回目ワクチンを接種した599名のうち176名を対象に血液を採取し,CLEIA法を用いて抗体価を測定した.2回目ワクチン接種直前の平均抗体価(標準偏差)は17.5(14.58) u/μL,2回目接種2週間後の平均抗体価(標準偏差)は233.6(161.49) u/μLであり,13.2倍上昇していた.しかし,3回目ワクチン接種直前の平均抗体価(標準偏差)は,15.3(21.50) u/μLと,2回目ワクチン接種直前の抗体価よりも低下していた.これらの結果より,国内外の先行研究と同様に,接種後時間経過に伴い,抗体価の減少が見られた.今回の抗体価測定では,抗体価の推移に個人差が見られたが,対象者の基礎疾患,生活習慣などの,抗体価に影響を及ぼす可能性がある因子などの調査までは実施していない.これらの因子の影響についての検討は今後の課題である.
Key words:SARS-CoV-2, BNT162b2, ワクチン接種, 抗体価
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受付日:2022年6月28日 受理日:2022年9月22日
38 (1):33─38,2023
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