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Article in Japanese

─報告─

手術時の二重手袋標準化に向けた取り組みについて

小谷 奈穂, 吉野 秀紀
日本赤十字社大阪赤十字病院


周術期における手術部位感染予防対策の強化のため,ワーキンググループを発足した.その活動の一つとして,手術部位感染防止のために手術時の二重手袋の標準化を目的に手袋の種類の選定と啓発活動に取り組んだ.同時に,ラテックスアレルギー対策としてラテックス手袋を廃止した.外科系標榜診療科16科に,手術時の二重手袋実施状況について現状調査し,調査結果をもとに二重手袋を妨げる要因を改善できる手術用手袋を選定した.外科系医師80人,手術室看護師47人を対象に,選定した3セットを試用した.試用終了後,無記名自記式質問紙調査にて操作性,装着感,皮膚症状の3項目を評価した.その評価結果をもとにラテックスフリー,かつ二重手袋で手術操作に影響しない手袋へと変更した.その結果,手術時の二重手袋が標準化し,2019年51%,2020年49%であった遵守率が2021年99%へ上昇した.今後,手術部位感染防止と職業感染防止のために,手術時の二重手袋標準化を継続し,手術用手袋の品質や術者の操作性,手袋の価格も踏まえて外科系医師及び手術室看護師と共に定期的に見直す予定である.

Key words:二重手袋, 手袋, 手術部位感染, 感染対策

連絡先:
e-mail: kansen-kango@osaka-med.jrc.or.jp

受付日:2022年10月7日
受理日:2023年2月8日

38 (3):138─142,2023

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