─報告─
薬剤師主導によるantimicrobial stewardship programの導入
佐々木 康弘1), 金丸 亜佑美2), 山口 明子3), 矢野 雅隆4) 1)公益財団法人東京都保健医療公社多摩南部地域病院薬剤科, 2)同 看護部, 3)同 検査科, 4)同 泌尿器科
Antimicrobial stewardship program(ASPs)は抗菌薬の適正使用を目的とした方法の一つである.当院では薬剤師が主導して第4世代セフェム系抗菌薬の採用医薬品整理とカルバペネム系抗菌薬の使用監査を導入した.1000患者あたりの抗菌薬使用日数は,第4世代セフェム系抗菌薬では採用医薬品整理により51.87日から28.09日へ減少し(p<0.001),カルバペネム系抗菌薬では監査導入により9.35日から3.80日へ減少した(p<0.001).全抗菌薬集計の薬剤費は,1ヶ月あたり約40万円(18%)削減できた.緑膿菌の感受性率に大きな変化はなかった.薬剤師主導による抗菌薬処方適正化を目的とした院内政策の導入により,第4世代セフェム系抗菌薬とカルバペネム系抗菌薬の使用日数と薬剤費を減少させることができた.
Key words:抗菌薬使用密度, カルバペネム系抗菌薬, antimicrobial stewardship program
連絡先: e-mail:
yasuhiro_sasaki1@tokyo-hmt.jp
受付日:2017年3月3日 受理日:2017年8月4日
32 (6):369─373,2017
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