─短報─
抗原定量検査など多角的な対策を活用した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下での合唱コンサートの感染対策の試み
加藤 英明 横浜市立大学附属病院感染制御部
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下において,合唱活動はもっとも感染拡大リスクが高い活動とされている.歌唱中のマスク着用は有効な感染対策だが,音楽の質は低下する.2023年1月の流行期に,24人がオンステージした合唱コンサートにおいて,開催日当日に抗原定量検査で陰性を確認し,ステージ上のソーシャルディスタンスを確保しマスクなしで演奏を行った.開催1週間後にPCR検査を行い,1名のみ陽性で集団発生はなかった.潜伏期間の短いオミクロン株流行期においても,換気のよい会場の選択,体調管理,開催日当日の抗原定量検査など多角的な対策により,マスクなしでの合唱コンサートが開催できる可能性が示された.
Key words:COVID-19, エアロゾル, 合唱, 抗原検査, ソーシャルディスタンス
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受付日:2023年3月17日 受理日:2023年5月24日
38 (5):241─244,2023
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