日本環境感染学会：学会誌電子ジャーナル

検索

第33巻第2号目次

Japanese/English

Full Text of PDF (332K)
Article in Japanese

─報告─

新潟県内における抗菌薬の薬物治療モニタリング実施状況の変化と実施に関連する因子の検討

片桐　裕貴^1）, 三星　知^1）, 片桐　光^2）, 継田　雅美^3）
^1）社会医療法人新潟勤労者医療協会下越病院薬剤課, ^2）新潟市民病院薬剤部, ^3）新潟薬科大学臨床薬学研究室

新潟県における抗菌薬適正使用の状況について調査するために，2015年6～7月にアンケートを実施し，2007年に行ったアンケート結果と比較した．アンケートは125施設中103施設から回答を得た．新潟県内の薬物治療モニタリング（TDM）実施率は，2007年と2015年を比較して41％から70％と有意に増加し，特に感染対策チームの設置施設で有意な増加を認め，未設置施設では有意な増加を認めなかった．さらに多変量解析の結果，TDM実施に関連する因子として，バンコマイシンは認定薬剤師と感染管理認定看護師の在籍，テイコプラニンとアルベカシンは認定薬剤師の在籍に対してそれぞれ正の有意な相関を認めた．以上の結果より，新潟県内では2007年と比較し2015年においてTDMは推進されており，特に認定薬剤師がTDM実施に重要な役割を果たしていること，また感染対策チームや認定看護師との協力やサポートが重要であることが示唆された．

Key words：抗菌薬薬物治療モニタリング, 実施率, アンケート, 認定薬剤師

連絡先：
e-mail: k.hiro.n22＠gmail.com

受付日：2017年7月27日
受理日：2017年12月5日

33 (2)：62─66,2018