─原著─
細菌混入試験および細菌残留試験による各種静脈ライン用ニードルレスコネクタの比較検討
海堀 昌樹1)2), 吉井 健悟3), 松井 康輔2), 石崎 守彦2) 1)関西医科大学次世代低侵襲外科治療学講座, 2)同 外科学講座, 3)京都府立医科大学大学院医学研究科生命基礎数理学
目的:本邦で使用されている主要ニードルレスコネクタ三方活栓は数種類が存在する.今回我々は各種ニードルレスコネクタ三方活栓に対する細菌汚染面に注視した細菌混入および消毒性試験の比較検討を行った. 対象及び方法:評価対象は本邦で臨床使用されている6製品(製品A~F)とした.これらニードルレスコネクタに対する細菌混入および消毒性試験を行った.シリンジ挿入部のゴム弁材質は,上記製品AおよびBがイソプレンであり,製品C,D,E,Fはシリコンである.またニードルレス部タイプは製品A,B,C,Dはスプリットセプタム,製品EおよびFはメカニカルバルブである. 結果:細菌混入試験第1段階試験において製品C,Dがそれぞれ陽性であり,他4種は陰性であった.同様に消毒性試験においても製品C,Dが陽性を示した.細菌混入試験第2段階試験において製品Eは試験不可,製品Fが陽性であり,消毒性試験において製品E,Fが陽性を示した.第1および2段階試験より細菌混入性試験かつ消毒性試験ともに陰性であったものは製品AおよびBであった. 結論:実際の使用方法を想定した実験において,シリンジ挿入部のゴム弁材質がイソプレン,またニードルレス部がスプリットセプタムである仕様が最も耐久性が高く,細菌が混入しにくいことが明らかとなった.
Key words:ニードルレスコネクタ三方活栓, 細菌混入試験, 消毒性試験
連絡先: e-mail:
kaibori@hirakata.kmu.ac.jp
受付日:2017年6月22日 受理日:2018年2月13日
33 (3):94─102,2018
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