─報告─
眼の曝露を防止するためのゴーグル導入への取り組み
上西 千絵1), 池田 智絵2), 新井 さゆり3), 上西 崇弘3)4) 1)石切生喜病院看護部, 2)同 薬剤部, 3)同 感染対策室, 4)同 外科・消化器外科
医療従事者の血液・体液の飛散等による職業感染リスクを低減するために個人防護具の適切な使用が重要である.しかし手袋やマスクに比べ,看護師のゴーグル装着率は最も低いと言われている1,2)「JES2015エピネットB(皮膚粘膜曝露)結果報告」3)より,曝露報告者の占める職種は看護師が半数以上(60%)であり,曝露組織は眼が最も多く(67.2%)報告されている.そこで縦隔,心嚢および胸腔ドレーンの排液回収や創部処置,呼吸器装着患者への痰吸引処置により感染性物質が飛散する機会が多い循環器・心臓血管外科病棟においてスタッフがゴーグルを正しく使用できるよう勉強会を実施し,「医療現場における隔離予防策のためのCDCガイドライン2007の勧告」4)を基にゴーグル装着が必要な場面を抜粋し,作成したチェックリストによる毎月の自己評価と3カ月毎の他者評価を行った.ゴーグルの平均着用率は開始3カ月で39.6%,6ヵ月後には70.5%へ上昇した.今回の教育的介入後,看護師のゴーグル着用意識が向上し装着が習慣化された.現在は全病棟にゴーグルが導入されている.今後も眼粘膜曝露防止のため啓蒙活動を継続していく.
Key words:個人防護具, 眼粘膜曝露, ゴーグル, 着用率, 看護師
連絡先: e-mail:
kansen@ishikiriseiki.or.jp
受付日:2017年10月7日 受理日:2018年5月16日
33 (4):169─172,2018
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