─報告─
多剤耐性緑膿菌による温水洗浄便座洗浄ノズルの汚染事例
尾崎 昌大1)2), 森 広史1)3), 古川 恵太郎5), 坂本 春生1)4) 1)東海大学医学部付属八王子病院感染制御部門, 2)同 薬剤科, 3)同 看護部, 4)同 口腔外科, 5)聖路加国際病院感染症科
2015年7月,当院の血液腫瘍内科で入院していた患者から多剤耐性緑膿菌が検出された.その後,環境付着菌検査を行った温水洗浄便座の洗浄ノズルからMDRPを検出し,アウトブレイクであると判断し,感染対策を行った.アウトブレイクの一因として,清掃スタッフによる院内感染対策上不適切な清掃方法が行われていたことが挙げられた.その他にも製造時期が古い温水洗浄便座の洗浄ノズルにおいて,適切な清掃ができないなどといった温水洗浄便座を院内で使用する際に留意すべき問題点も判明した.このことから,院内で使用している設備・機器の洗浄方法や導入などにICTの積極的な介入が必要であることが改めて認識された.
Key words:多剤耐性菌, 温水洗浄便座, 感染制御チーム(ICT), 清掃方法
連絡先: e-mail:
ozaoza1128@tokai-u.jp
受付日:2018年3月13日 受理日:2018年7月31日
33 (6):285─289,2018
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