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Article in Japanese

─原著─

分娩介助時における顔面への血液曝露リスクの検証

楠見 ひとみ1), 遠藤 英子2)
1)防衛医科大学校医学教育部看護学科, 2)東邦大学健康科学部


本研究は,助産師が分娩介助時に着用するフェイスシールドへの血液曝露の実態を調査し,分娩特性との関連から顔面への血液曝露リスクを明らかにすることを目的とした.分娩介助時に助産師が着用したフェイスシールドへの血液曝露の検証にはルミノール反応を用いた.調査期間中の経膣分娩件数は161件で,そのうちの70件の分娩で着用されたフェイスシールドを収集した(収集率43.5%).収集したすべてのフェイスシールドに血液曝露が確認され(100%),曝露数は平均26.6個(SD 20.1,range 5-125)であった.フェイスシールドの区分別の曝露数は,マスク部18.6個(SD 17.0,range 0-116),眼周囲部2.8個(SD 17.0,range 0-22),額部3.3個(SD 3.7,range 0-17),右側面部2.7個(SD 4.2,range 0-20),左側面部1.1個(SD 1.9,range 0-10)であった.助産師のフェイスシールドの着用時間は平均41.5分(SD 30.5,range 11-141)で,最短の11分であっても血液曝露を認めた.本研究では,収集したすべてのフェイスシールドに血液曝露を認め,血液曝露数の関連要因は会陰切開であることが明らかになった.分娩介助は顔面への血液曝露リスクが非常に高く,標準予防策として顔面防護の必要性が示唆された.

Key words:分娩介助, 助産師, 血液曝露, 職業感染, 標準予防策

連絡先:
e-mail: pitomi.manaty@gmail.com / h-kusumi@ndmc.ac.jp

受付日:2018年7月4日
受理日:2018年10月1日

34 (1):40─44,2019

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