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─委員会報告─

救急外来部門における感染対策チェックリスト

佐々木 淳一1,a,椎野 泰和2,加藤 康幸3,工藤 大介4,藤田 昌久5,宮入 烈6,望月 徹7,奥田 拓史8,長門 直9,鍋谷 佳子10,高橋 毅11,救急外来部門における感染対策検討委員会12 および合同ワーキンググループ13,14,15,16
1慶應義塾大学医学部救急医学, 2川崎医科大学救急医学, 3国際医療福祉大学医学部感染症学, 4東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座救急医学分野, 5日本医科大学付属病院医療安全管理部感染制御室, 6国立成育医療研究センター生体防御系内科部感染症科, 7日本医科大学武蔵小杉病院感染制御部/救命救急科(救命救急センター), 8東北大学大学院医学系研究科総合医療学分野, 9公立学校共済組合中国中央病院内科, 10大阪大学医学部附属病院看護部, 11国立病院機構熊本医療センター, 12一般社団法人 日本救急医学会, 13一般社団法人 日本環境感染学会, 14一般社団法人 日本感染症学会, 15一般社団法人 日本臨床救急医学会, 16一般社団法人 日本臨床微生物学会


救急外来部門では,新興感染症も含め,様々なヒト‐ヒト感染症と遭遇する危険性があり,その感染対策は十分かつ適切に行われるべきである。しかし,救急外来部門での感染対策について十分なエビデンスに基づいて作成されたガイドラインなどはこれまで世界的にも作成されておらず,各施設で独自の対応策を検討・実施している。日本救急医学会は「救急外来部門における感染対策検討委員会」を設置し,日本感染症学会,日本環境感染学会,日本臨床救急医学会,日本臨床微生物学会とともに5学会連携の救急外来部門における感染対策について検討する合同ワーキンググループを組織した。この合同ワーキンググループにおいて,救急外来における感染対策およびそれに関連する事項について総合的かつ多面的に検討を行い,「救急外来部門における感染対策チェックリスト」を公開するに至った。本チェックリストは,救急専従医が少数あるいは配置されていない小規模な救急外来部門であっても,このチェックリストに従い準備をすれば大きな間違いをせずに感染対策が行えることを目的に作成された。この中には,感染対策の管理体制,教育・検診・予防接種体制,感染が疑われる患者への対応,ハード面の感染リスク管理などが含まれており,さらにチェックすべき時期やその間隔については,それぞれカテゴリーとして明示している。本チェックリストが,救急外来部門における感染対策の充実に資することを期待したい。

Key words:救急室,感染防止,職業感染,ワクチン接種,環境改善

受理日:2019年12月25日

35 (3):110─149,2020

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