─短報─
Bacillus cereus芽胞の各種医療用ディスポーザブル手袋への付着に関する定量的評価
石原 由華1), 宇佐美 久枝1), 社本 生衣2), 太田 美智男3) 1)椙山女学園大学看護学部, 2)岐阜大学医学部看護学科, 3)名古屋大学医学部
Bacillus cereusによる敗血症は,清拭タオル等のリネン類の芽胞汚染による患者皮膚・医療者の手指などを介した輸液ラインの汚染が主要な原因であるとされる.医療現場で用いるディスポーザブル手袋に芽胞が付着して汚染源となる可能性があり,そこで手袋の素材別にB. cereus芽胞の付着しやすさを改良ビーズ抽出法で定量測定した.その結果,ラテックス,塩化ビニル,ニトリル製手袋の中で塩化ビニル製に最も多くの芽胞が付着していた.ニトリル製と塩化ビニル製とでは芽胞の付着量で有意差(P=0.028,<0.05)があり,ニトリル製はラテックス製との間に有意差は無いが,最も芽胞の付着しない素材であった.
Key words:Bacillus cereus, 芽胞, ディスポーザブル手袋, ニトリル製, 改良ビーズ抽出法
連絡先: e-mail:
y-ishihara@sugiyama-u.ac.jp
受付日:2020年2月12日 受理日:2020年6月16日
35 (5):198─200,2020
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