─短報─
酒造メーカーが発売している高濃度エタノール製品の微生物学的検討
尾家 重治1), 敷地 恭子2) 1)山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部薬学科, 2)山口大学医学部附属病院検査部
酒造メーカーが発売の63~78 vol%エタノール製品について,手指消毒用以外の目的での使用が可能か否かを検討した.調べた9品目中7品目(77.8%)が100 mLあたり5~44 colony forming units(cfu)の微生物を含有していた.おもな汚染菌はBacillus spp.やPaenibacillus spp.などであった.対照として調べた消毒用エタノール(76.9~81.4 vol%エタノール;医薬品)の計3品目ではいずれも100 mLあたり0 cfuであった.酒造メーカー発売の高濃度エタノール製品はアンプル・バイアルの消毒や,輸液ルートの先端・刺入部の消毒などには適さないことが判明した.
Key words:アルコール, エタノール, 微生物汚染, 芽胞
連絡先: e-mail:
oie@rs.socu.ac.jp
受付日:2020年9月1日 受理日:2020年10月12日
36 (1):72─74,2021
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