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Article in Japanese

─報告─

栃木県の入居型高齢者施設における新型コロナウイルス感染症防止対策の現状

笹原 鉄平1)2), 丸山 沙緒里3)4), 野澤 彰3)5), 吉村 章3)6), 森澤 雄司2)3)
1)自治医科大学医学部感染免疫学講座, 2)自治医科大学附属病院臨床感染症センター, 3)栃木地域感染制御コンソーティアム(TRICK), 4)国立病院機構栃木医療センター看護部, 5)上都賀総合病院薬剤部, 6)医療法人山育会日新病院


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は高齢者で重症化のリスクが高いことが知られており,高齢者施設における対策は緊急の課題である.高齢者施設がどの程度の対策を実施しているか,何が不足しているか,など感染対策の現状を明らかにし,必要な支援等を検討するために,栃木県内の285の入居型高齢者施設を対象にアンケート調査を実施した.回収率は44.9%であった.早急に解決すべき問題として,多くの施設で日常的に連絡できる外部相談先がない,個人防護具・消毒薬が不足している,42.2%の施設でCOVID-19対策マニュアルがない,30.5%の施設で発熱した入居者を隔離できていない,などが挙げられた.また,多くの施設が自施設内でのCOVID-19発生時の対応に自信がなく不安に思っていること,自施設内でCOVID-19が発生してしまった際に,外部からの人的支援に対する需要があることが明らかとなった.

Key words:新型コロナウイルス感染症(COVID-19), 高齢者施設, アンケート調査, 地域連携

連絡先:
e-mail: protozoa@jichi.ac.jp

受付日:2020年8月11日
受理日:2020年12月1日

36 (2):98─104,2021

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