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─報告─

中規模市中病院におけるAntimicrobial Stewardship薬剤師による全静注抗菌薬の処方後監査

佐々木 康弘1)8), 栗島 彬2), 天野 美里1)8), 金丸 亜佑美3)8), 山口 明子4)8), 高安 博史5)8), 羽田野 義郎6), 矢野 雅隆7)8)
1)公益財団法人東京都保健医療公社多摩南部地域病院薬剤科, 2)独立行政法人地域医療機能推進機構東京新宿メディカルセンター薬剤部, 3)公益財団法人東京都保健医療公社多摩南部地域病院看護部, 4)同 検査科, 5)同 小児科, 6)国立大学法人東京医科歯科大学医学部附属病院感染制御部, 7)公益財団法人東京都保健医療公社多摩南部地域病院泌尿器科, 8)同 AST


抗菌薬適正使用支援として,「抗菌薬の事前承認制」と「介入とフィードバック」が推奨されている.本邦における薬剤師による「介入とフィードバック」として全静注抗菌薬を対象に行った報告は大規模病院からのものはあるが,中規模病院からの報告はない.本研究では,中規模病院における全静注抗菌薬処方後監査を実施することによる全静注抗菌薬の変化を調査した.全静注抗菌薬は,1000患者あたりの抗菌薬投与日数(DOT/1000 pd)が248.6日から217.1日へ(12.7%)減少した(p<0.05).さらに,抗緑膿菌活性がある抗菌薬は,DOT/1000 pdが60.0日から35.5日へ(40.8%)減少した(p<0.01).1000患者あたりの全抗菌薬にかかる費用は約5万円(18.4%)減少した(p<0.05).中規模病院において薬剤師による全静注抗菌薬処方後監査は,広域抗菌薬を中心とした抗菌薬の減少をもたらした.

Key words:抗菌薬適正使用支援, 中規模病院, 処方後監査

連絡先:
e-mail: yasuhiro_sasaki1@tokyo-hmt.jp

受付日:2020年7月6日
受理日:2020年11月30日

36 (2):117─122,2021

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