日本環境感染学会：学会誌電子ジャーナル

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第36巻第5号目次

Japanese/English

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Article in Japanese

─症例報告─

インフルエンザ流行期と重複した麻疹アウトブレイクを経験して

大植　由紀子^1）3）, 加納　原^2）3）
^1）京都山城総合医療センター感染対策室, ^2）同　小児科, ^3）同　Infection Control Team

インフルエンザ流行期と重複した麻疹アウトブレイクを経験した．繁忙期であり，救急外来での接触者が多数となったが，可能な限り全ての接触者に対し緊急ワクチン接種などの発症予防措置を行った．2名の二次感染者を生じたが，いずれも修飾麻疹となったため，三次感染者は確認されることなく終息させることができた．新たな接触者の発生を避ける方策として，問診による二段階トリアージと空間隔離対応が有効であった．アウトブレイク対応の態勢構築や発症予防措置に関して得られた教訓も加えて報告する．

Key words：麻疹, インフルエンザ, ワクチン接種, γグロブリン, トリアージ

連絡先：
e-mail: MS0001＠yamashiro-hp.jp

受付日：2021年1月25日
受理日：2021年5月12日

36 (5)：264─269,2021