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Article in Japanese

─総説─

COVID-19対策における気管挿管時の陰圧・高性能フィルタ付き挿管ボックスの開発

大岩 彩乃1)2), 松崎 淳人1)3), 鈴木 剛人4), 佐藤 卓広4), 柿沼 朋之4), 宮﨑 泰斗5)6), 盛田 俊介1), 瓜田 純久5), 石井 良和6)7), 舘田 一博6)7)
1)東邦大学医療センター大森病院国際医療支援部, 2)東邦大学医学部麻酔科学講座, 3)東邦大学医療センター先端健康解析センター, 4)興研(株)環境エンジニアリングディビジョン, 5)東邦大学医学部総合診療・急病医学講座, 6)東邦大学医療センター大森病院感染管理部, 7)東邦大学医学部医学科微生物・感染症学講座


COVID-19パンデミックの際には,救急専門医のみならず,エアロゾルに曝露される医療行為に従事した医療従事者全てが院内感染の危機に直面しつつも麻酔科医・集中治療医など院内医師の総力を挙げてCOVID-19患者の気管挿管を実施した.COVID-19患者の気管挿管では,感染防御と周囲への汚染拡大を防止する目的で,当初は解放型挿管ボックスが使用されたが,のちに周囲へのエアロゾル漏洩等の問題が発覚したため,新たなデバイスを開発しつつ気管挿管手技を実践せざるを得なくなった.そこで,東邦大学は防塵マスク会社と共同研究で使い捨て式陰圧付加型高性能フィルター付き挿管ボックスを開発するに至った.本稿では,開発の経緯を院内感染防止の観点から概括する.

Key words:気管挿管, 感染制御, COVID-19, エアロゾル, 気管挿管ボックス

連絡先:
e-mail: ayano.nakao@med.toho-u.ac.jp

受付日:2021年3月10日
受理日:2021年9月15日

36 (6):285─291,2021

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