日本環境感染学会：学会誌電子ジャーナル

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第36巻第6号目次

Japanese/English

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Article in Japanese

─報告─

ICNの抗菌薬療法に関する看護職教育の現状とAST/ICT活動の全国実態調査

長崎　由紀子, 佐藤　ゆか
愛知医科大学看護学部

ICNによる抗菌薬療法に関する看護職への教育・指導の必要性の認識，施設における看護職への抗菌薬療法に関する教育実施の現状，ASTまたはICTでのICNの活動を明らかにすることを目的に，629施設の感染管理認定看護師または感染症看護専門看護師を対象に質問紙調査を実施し139名から回答を得た（回収率22.1％）．教育・指導の必要性の認識が高かったのは，『溶解・混合するタイミング』，『投与直前に溶解・混合する理由』など抗菌薬の準備，配合変化，血中濃度測定に関する項目であった．施設内教育が実施されている割合が高かったのは，血中濃度測定，時間依存性抗菌薬の投与回数に関する項目であった．アセスメント3項目については，教育が「必要である」の回答は40～60％台，施設内教育の実施は30～50％台であった．AST/ICTでの活動のうち多く行われていたのは，AST/ICT会議で，患者の状態について看護師の視点から発言することであった．抗菌薬適正使用支援へのさらなるICNの活動として，PK-PD理論に基づく抗菌薬投与および患者のアセスメントについて，看護職へ実践的な教育と情報共有を推進していくことの重要性が示唆された．

Key words：感染管理認定看護師, 感染症看護専門看護師, 抗菌薬療法, 教育, AST/ICT活動

連絡先：
e-mail: yukinaga＠aichi-med-u.ac.jp

受付日：2021年4月28日
受理日：2021年9月1日

36 (6)：329─334,2021