─原著─
医療従事者の新型コロナワクチン接種の意思決定における影響要因
鹿角 昌平1), 小林 史博2), 芝野 牧子3), 松岡 慶樹1) 1)長野中央病院薬局, 2)同 感染対策室, 3)同 臨床検査科
医療従事者を対象とした新型コロナウイルス感染症に係るワクチン(以下,新型コロナワクチン)の優先接種に際して,長野中央病院(以下,当院)では感染制御チーム(Infection Control Team:ICT)からのワクチンに関する情報提供や,副反応が生じた際の特別休暇制度を設ける等の対応を行った.当院が行ったこれらの対応や,その他の各種情報が,当院職員の新型コロナワクチン接種に関する意思決定に与えた影響について調査した.“感染学習会やICTからの情報”が意思決定に与えた影響度は有意に高かったが,“特別休暇制度”の重視度は有意に低かった.新型コロナワクチンの接種行動に関して働きかけを行う際には,単に感染の危険性や接種のメリットを訴えるだけでなく,受け手側の特性を十分考慮した上で,効果的な手法を採用すべきであると考えられた.
Key words:COVID-19, ワクチン接種, 意思決定, 医療従事者
連絡先: e-mail:
katsuno.shohei@gmail.com
受付日:2021年10月29日 受理日:2022年3月17日
37 (4):119─127,2022
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