─短報─
敗血症患者血液由来および健常者皮膚分離Bacillus cereus株芽胞のポビドンヨード感受性
石原 由華1), 柴山 恵吾2), 社本 生衣3), 宇佐美 久枝1), 太田 美智男4) 1)椙山女学園大学看護学部, 2)名古屋大学大学院医学系研究科微生物・免疫学講座, 3)岐阜大学医学部看護学科, 4)名古屋大学大学院医学系研究科
Bacillus cereus芽胞のポビドンヨードに対する感受性を血液由来15株と健常者皮膚分離15株の芽胞を用いて作用時間と温度を変えて検討した.いずれの処理条件でも高度耐性株はなく,多くの菌株で10%ポビドンヨード処理5分で約99%の芽胞が殺菌されたが,残りの約1%の芽胞は30分処理後も生残した.皮膚由来株5株,血液由来株3株は5分処理後に生菌数が約0.1%になった.作用温度の違いによるポビドンヨードの効果には大きな差が無く,また血液由来株と皮膚由来株の間に差がほとんど見られなかった.以上によりB. cereus芽胞による皮膚汚染が軽度なら10%ポビドンヨードによる消毒が可能と考えられた.
Key words:Bacillus cereus, 芽胞, ポビドンヨード, 感受性, 消毒
連絡先: e-mail:
y-ishihara@sugiyama-u.ac.jp
受付日:2022年9月12日 受理日:2022年12月8日
38 (2):57─60,2023
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