日本環境感染学会：学会誌電子ジャーナル

検索

第38巻第3号目次

Japanese/English

Full Text of PDF (306K)
Article in Japanese

─proceedings─

消化器外科領域の安全で有効な術野消毒

畑　啓昭^1）2）, 佐治　雅史^3）, 飯尾　恵^2）4）
^1）国立病院機構京都医療センター外科, ^2）同　感染制御部, ^3）同　救命救急科, ^4）同　看護部

手術野の皮膚消毒は，ヨード系消毒薬・アルコール製剤・グルコン酸クロルヘキシジンが頻用される消毒薬であるが，新たな皮膚消毒薬であるオラネキシジンの有効性を検証したRCTが報告された．一方，消化器外科領域の術野消毒では粘膜を含んだ術野の消毒に対しては，多くの消毒薬が禁忌であることから，各薬剤の有効性と注意点を理解して選択をする必要がある．本稿では，消化器外科領域の術野消毒で頻用される薬剤について，適応や禁忌，注意点を解説するとともに，有効性に関する最近の研究結果をまとめる．

Key words：消毒薬, 術野消毒, ポビドンヨード, グルコン酸クロルヘキシジン, オラネキシジン

連絡先：
e-mail: hhata-kyt＠umin.ac.jp

受付日：2023年2月28日
受理日：2023年3月11日

38 (3)：75─79,2023