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─proceedings─

高齢者介護施設における薬剤耐性菌保菌の実態と保菌の関連因子

小椋 正道1), 浅井 さとみ2), 梅澤 和夫3), 大島 利夫4), 梶原 俊毅5), 矢原 耕史5), 菅井 基行5)
1)東海大学医学部看護学科, 2)同 医学科基盤診療学系臨床検査学, 3)同 医学科総合診療学系救命救急学, 4)新渡戸文化短期大学臨床検査科, 5)国立感染症研究所薬剤耐性研究センター


高齢者介護施設で適切な薬剤耐性菌対策を行うために,特別養護老人ホーム(施設A~C)を対象に糞便検体から基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(Extended-spectrum β-lactamase:ESBL)産生菌保菌の実態調査および保菌と利用者特性・施設特性との関連因子の解析を行った.その結果,利用者特性では抗菌薬投与群のESBL産生菌検出率が有意に高く(検出率の比12.71[95%CI:1.33-121.53]),ESBL産生菌保菌と抗菌薬投与歴の関連が示唆された.施設特性では,介護度が最も低い利用者が入所しているユニット型(個室型)施設(施設B)の検出率(36.7%)が最も高く,介護度の高い利用者が入所している従来型(多床室型)施設(施設C)の検出率(5.9%)が最も低かった.両施設の違いは,施設Bでは日常的に抗菌薬を処方されている利用者がいるのに対し,施設Cでは抗菌薬が全く処方されていないことであった.高齢者介護施設は薬剤耐性菌拡散に対して大きな役割を果たしていると考えられてきたが,施設を担当する配置医師の抗菌薬処方状況によって薬剤耐性菌の保菌リスクは大きく異なると推察された.

Key words:高齢者介護施設, ESBL産生菌, 介護度, 抗菌薬

連絡先:
e-mail: mogura@tokai-u.jp

受付日:2023年3月31日
受理日:2023年7月22日

38 (5):229─234,2023

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