─短報─
高齢者入居施設における利用者のCOVID-19感染確認後の初動対応―初動完了の迅速性と感染状況の関連―
上原 桃美 ダイヤ高齢社会研究財団
東京都社会福祉協議会高齢者福祉施設協議会による感染状況調査の結果を用い,高齢者入居施設における利用者のCOVID-19感染確認後の初動対応の迅速性と感染拡大との関連を報告する.分析の結果,短時間で初動対応を完了した(3時間以内)施設におけるクラスター(感染者数5人以上)の発生率は,初動完了までに3時間よりも多くの時間がかかった施設の半分程度に抑えられており,利用者の感染者数も少なく,この傾向は大規模施設よりも小規模施設において顕著であった.ゆえに,高齢者入居施設での感染拡大を防ぐためには短時間での初動完了が求められるため,初動対応に時間を要する施設に対しては,その要因を明らかにしたうえで,対応をより迅速化させるために必要な支援は何かを検討すべきである.
Key words:COVID-19, 高齢者入居施設, 初動対応
連絡先: e-mail:
m.uehara@diafras.onmicrosoft.com
受付日:2023年3月29日 受理日:2023年8月8日
38 (6):264─266,2023
|