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Article in Japanese

─原著─

末梢静脈カテーテル関連血流感染症集計における分母の検討:入院患者延べ日数と末梢静脈カテーテル使用延べ日数の相関

馬渡 桃子1)2), 早川 佳代子1), 松永 展明1), 杦木 優子3), 山元 佳1), 藤谷 好弘1), 片浪 雄一1), 忽那 賢志1), 竹下 望1), 大曲 貴夫1)
1)国立国際医療研究センター病院国際感染症センター, 2)群馬大学医学部附属病院感染制御部, 3)国立国際医療研究センター病院院内感染対策室


目的:末梢静脈カテーテル関連血流感染症(PCRBSI:peripheral venous catheter-related blood stream infection)の発生率のサーベイランスにおいて,カテーテル日を分母とする場合と比べ入院人日を分母としても評価が可能かどうか検討した.
方法:単一の急性期病院において2012年4月~2015年9月までの入院人日と末梢静脈カテーテル日を医療情報システムより抽出し,両者の正規性を確認しPearsonの相関係数を求めた.また,入院人日とカテーテル日を分母としてそれぞれPCRBSI発生率を計算し,両者の月毎の動向を比較した.
結果:平均入院人日は月20,320,平均カテーテル日は月11,178だった.入院人日とカテーテル日の相関については,相関係数=0.851(P値<0.01)であり,強い正の相関が認められた.PCRBSI発生率のグラフでは,増減方向は概ね一致していた.
結論:同一施設内でPCRBSI発生率の推移を評価する場合は,入院人日を分母としてもカテーテル日と同様の推移の傾向を把握できると考えられた.

Key words:末梢静脈カテーテル関連血流感染症, サーベイランス, カテーテル使用延べ日数, 入院患者延べ日数

連絡先:
e-mail: mawatamo@gmail.com

受付日:2017年10月30日
受理日:2018年3月2日

33 (3):111─116,2018

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