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─報告─

重症心身障害児(者)施設における呼吸器感染症対策の実態調査

高山 直樹1)2), 網中 眞由美1), 森 那美子1), 白井 正浩2), 豊田 敦2), 藤田 烈3), 西岡 みどり1)
1)国立看護大学校, 2)国立病院機構天竜病院, 3)帝京大学


重症心身障害児(者)(以下重症児)の死因第1位は呼吸器感染症である.本研究の目的は,重症児施設の呼吸器感染症対策の実態を明らかにすることである.日本の重症児施設全202施設の療育および看護責任者それぞれ1名を対象に,郵送による自記式質問紙調査を行った.
療育調査120施設(59%),看護調査112施設(55%)の回答を集計した.約半数の施設が直近1年間に呼吸器感染症アウトブレイクを経験しており,感染症状有症者の集団療育や複数病棟合同での療育を中止していた.多くの施設で,集団療育や床上での療育を行っており,セラピーマットや玩具を介した呼吸器感染症伝播経路が示唆された.感染症の持ち込み防止策としての症状スクリーニング実施率は,実習生は高かったが,職員,教諭,ボランティアの実施率は十分ではなかった.今後は症状スクリーニング,および呼吸器症候群サーベイランスの推進が必要であると考える.

Key words:重症心身障害者, 気道感染, 感染予防管理, 療育

連絡先:
e-mail: takayaman@d17.ncn.ac.jp

受付日:2017年10月6日
受理日:2018年5月25日

33 (5):213─219,2018

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