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─報告─

病室プライバシーカーテンに対する銀系抗菌剤使用の持続効果

平松 玉江1), 久々湊 由佳子1)3), 阿部 洋史2), 楠木 哲郎2), 岩田 敏3)
1)国立がん研究センター中央病院看護部, 2)富士フイルム株式会社メディカルシステム事業部, 3)国立がん研究センター中央病院感染制御室


病室プライバシーカーテンは高頻度接触面でありながら毎日の環境整備や消毒を行うことは困難であり,潜在的な二次的感染源となり得ることが推測される.本研究では外科病棟40ヶ所のカーテンに,アルコールベース銀系抗菌製剤(以下銀系抗菌剤)を使用し抗菌効果を検証した.カーテン表面からの菌の採取は開始から1日目,7日目,14日目,28日目とし,拭き取り法にて行った.28日経過後の40枚のカーテンの平均菌増加量は,銀系抗菌剤使用カーテンでは15 CFU/100 cm2,使用なしの通常カーテンでは106 CFU/100 cm2であった.銀系抗菌剤使用の有無で,統計的有意差が認められた(p<0.01).プライバシーカーテンに対する銀系抗菌剤の持続的な抗菌効果が示唆された.プライバシーカーテンが感染源となるリスクの低減方法として,銀系抗菌剤の使用が有効な手段であると考えられた.

Key words:環境清掃, 環境汚染, 高頻度接触物, 銀系抗菌剤, プライバシーカーテン

連絡先:
e-mail: thiramat@ncc.go.jp

受付日:2018年1月15日
受理日:2018年6月6日

33 (5):225─229,2018

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