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─proceedings─

病院清掃と感染制御―病院清掃受託事業者とICTのコラボレーション―

菅原 えりさ
東京医療保健大学大学院医療保健学研究科感染制御学


わが国の病院清掃の委託率は86.1%で,清掃業務を事業者に委託するのは当たり前の時代になった.
医療関連感染制御にとって病院清掃が欠かせない要素であることは周知の事実だが,その一端を担う清掃受託事業者の感染制御の知識や技術は必ずしも十分ではない.最近では,病院側の要求に清掃受託事業者が応えきれないことがしばしば起こり,ICTのストレスとなっていることがあるが,これは清掃委託事業者だけの問題ではない.
筆者は,受託事業者が実施する病院清掃がICTの要求を満たすためには3つの責務があると考えている.一つはICTが契約時に主体的に関与すること,次は清掃受託事業者が契約通りに仕様書を遵守した清掃を実施すること,そして最後はICTが責任を持ってインスペクションしフィードバックすることである.このようにICTは委託前から終了まで関与する必要がありその役割は大きい.ファシリティマネジメントはICTの業務のひとつである.自施設の清掃品質を向上させるためには,清掃受託事業者への改善要求だけでなく,自らを見直す必要がある.

Key words:病院清掃, 清掃受託事業者, ICT

連絡先:
e-mail: e-sugawara@thcu.ac.jp

受付日:2018年9月5日
受理日:2018年10月17日

34 (1):14─20,2019

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