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論文名 Dejerine夫妻とPierre Marie~偉大な神経学者たちの大間違い~
論文言語 J
著者名 岩田 誠
所属 東京女子医科大学,メディカルクリニック柿の木坂
発行 神経心理学:35(1),20─26,2019
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要旨 1906年,Pierre Marieは,失語症における機能局在論を攻撃する3つの論文を次々に発表し,Dejerine夫妻の提唱する機能局在論を真っ向から否定した.その結果として,Dejerine夫妻とMarieは,弟子たちをも巻き込んだ公開の“失語論争”を行ったが,どちらも対立する相手を論破することは出来ず,論争の決着はつかなかった.しかし,この論争の元となったMarieの論文を検討すると,彼が重大な解剖学的誤謬を繰り返しているのに気付かされる.それだけでなくDejerine夫妻側にも,同じような誤謬が見いだされる.彼らの解剖学的誤謬が教えてくれるのは,水平断脳スライスにおける大脳皮質領域同定の難しさである.
Keywords 失語論争, レンズ核領域, ブローカ領域, デジェリヌ, マリー
別刷請求先 岩田 誠 iwata.makoto@twmu.ac.jp


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