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論文名 |
神経発達症と意味記憶障害 |
論文言語 |
J |
著者名 |
佐久田 静1), 橋本 衛2) |
所属 |
1)医療法人松柏会榎坂病院
2)大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室 |
発行 |
神経心理学:36(4),189─196,2020 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
神経系の発達および成熟に障害を持つ神経発達症の中には,意味記憶の形成不全と形容すべき病態や,意味記憶を十分に活用できていないと思われる病態が存在する.神経発達症の一つである自閉スペクトラム症(ASD)では,対象と音韻を正しく結びつけられない意味記憶の形成の問題と,言外の意味が取れず字義通りの解釈をしてしまう意味記憶の活用の問題が観察される.ASD研究にもsymbolや表象など意味記憶と類似した概念があり,ASDに特徴的な認知機能障害との関連が示されてきた.子どもの発達過程や神経発達症は意味記憶について多くの視点を提供し,また意味記憶という視点から心の発達や神経発達症を観察および研究することは有用と考えられる. |
Keywords |
意味記憶, 自閉スペクトラム症, 表象機能, 中枢性統合の障害, 般化の障害 |
別刷請求先 |
〒564-0063 大阪府吹田市江坂町4-32-1 医療法人松柏会榎坂病院 佐久田静
sakuta.shzk@gmail.com |
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