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論文名 |
さまざまな記憶のかたち |
論文言語 |
J |
著者名 |
三村 將 |
所属 |
慶應義塾大学医学部精神神経科 |
発行 |
神経心理学:38(1),2─10,2022 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
人間の高次脳機能の中核にある記憶について,2つの視点から考察した.1つは健忘症候群の臨床的見地から,保たれている潜在記憶と記憶のリハビリテーションについて述べた.記憶のリハビリテーションにおいては,どのような技法を用いるにしても,誤りなし学習が基本になる.もう1つは過去―現在―未来という時間継起と記憶との関連である.過去の体験から未来を考える未来性思考にはBrodmann 10野(BA10)の関与が指摘されている.未来の事象をポジティブに捉えることが困難なうつ病患者ではBA10の活動に異常を認めるが,このようなうつ病における未来性思考のネガティブバイアスとBA10の機能異常は認知行動療法により改善すると考えられる. |
Keywords |
潜在記憶, 記憶のリハビリテーション, 誤りなし学習, 未来性思考, ブロードマン10野 |
別刷請求先 |
〒160-8582 東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学医学部精神神経科 三村 將 mimura@a7.keio.jp |
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