[第38巻第2号目次へ] Japanese/English

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論文名	FTLDの神経病理学
論文言語	J
著者名	渡辺　亮平1）2）, 新井　哲明2）
所属	1）東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科 2）筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学
発行	神経心理学：38（2），96─108，2022
受付
受理
要旨	Ataxin-2（ATXN2）はTDP-43蛋白症の疾患修飾因子として近年注目されているが，そのヒト脳組織での特徴は多くが未解明である．我々は，健常例とTDP-43の蓄積を伴う前頭側頭葉変性症（FTLD-TDP）例の脳標本を用いて，ATXN2の神経細胞における詳細な局在様式および発現量について検討した．ATXN2は神経細胞質で主にリボソームに局在しており，翻訳過程における機能が示唆された．患者脳ではATXN2の発現量が健常例よりも有意に低下しており，さらにATXN2はリン酸化TDP-43陽性封入体と共局在した．本結果から，ATXN2がFTLD-TDPの病理過程に関与する可能性が示唆された．
Keywords	前頭側頭型認知症, 前頭側頭葉変性症, RNA関連蛋白質, TDP-43, Ataxin-2
別刷請求先	〒300-0395　茨城県稲敷郡阿見町中央3-20-1　東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科　渡辺亮平 ryohei-w@tokyo-med.ac.jp