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論文名 アルツハイマー型認知症とワーキングメモリ―ワーキングメモリへの介入の課題と可能性―
論文言語 J
著者名 吉村 貴子1), 大沢 愛子2), 苧阪 満里子3)
所属 1)京都先端科学大学健康医療学部言語聴覚学科
2)国立長寿医療研究センターリハビリテーション科
3)脳情報通信融合研究センター
発行 神経心理学:38(3),175─185,2022
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要旨 ワーキングメモリ(WM)は注意制御のもと,必要な情報を活性化状態で保持し,目標達成に向けて情報を統合する役割を担い,中央実行系を中心として,音韻ループ,視覚・空間的スケッチパッド,エピソード・バッファというサブシステムから成る.
アルツハイマー型認知症(AD)では,WMを測定するリーディングスパンテストや逆唱で成績が低下する.WMをターゲットとするトレーニングの有効性を示す報告も多いが,現状においてはWMトレーニングの理論については多面的な検証が待たれる.
本稿では高齢者に対するWM低下への予防的介入の可能性や,AD等の認知症高齢者にWMに焦点をあてた介入を行う際の留意点を考察した.
Keywords ワーキングメモリ, 中央実行系, 注意制御, アルツハイマー型認知症(AD), ワーキングメモリトレーニング
別刷請求先 〒615-8577 京都市右京区山ノ内五反田町18番地 京都先端科学大学健康医療学部言語聴覚学科 吉村貴子 yoshimura.takako@kuas.ac.jp


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