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論文名 進行性に力動性失語を呈した進行性核上性麻痺の1例
論文言語 J
著者名 安島 明子1), 石原 健司2), 小川 七世3), 旭 俊臣2)
所属 1)旭神経内科リハビリテーション病院リハビリテーション部
2)同 神経内科
3)東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学
発行 神経心理学:40(2),153─160,2024
受付 2023年11月4日
受理 2024年3月3日
要旨 進行性に力動性失語を呈した進行性核上性麻痺の1例を報告した.言語症状として高度の発話発動性低下を認めた一方,呼称,復唱,音読,聴理解は正常であり,力動性失語に合致した臨床像であった.約1年の経過で発話発動性がさらに低下するとともに,発話速度低下,プロソディーの障害を認め,発語失行が顕在化した.頭部MRIで両側前頭葉,中脳被蓋の萎縮,脳血流SPECTで右優位に両側前頭葉,基底核領域の血流低下を認めた.文献例との対比より本例における力動性失語の発現に両側前頭葉皮質皮質下ループの機能障害が関与している可能性が考えられた.本例と同様の画像所見,経過を呈した症例の報告はなく,類似症例の蓄積が必要である.
Keywords 進行性核上性麻痺, 力動性失語, 発語失行, SPECT
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