|

Full Text of this Article
in Japanese PDF (961K)
|
論文名 |
右側頭葉をめぐる概念の変遷 |
論文言語 |
J |
著者名 |
品川 俊一郎 |
所属 |
東京慈恵会医科大学精神医学講座 |
発行 |
神経心理学:40(3),169─176,2024 |
受付 |
|
受理 |
|
要旨 |
右側頭葉萎縮例は前頭側頭型認知症あるいは前頭側頭葉変性症に包含されるが,この概念には幾多の変遷があった.局所脳萎縮を呈する変性疾患からの流れと,進行性失語を呈する疾患群の流れを融合させた形で2011年に分類が整備されたが,この分類においては,側頭葉の左右側性化への対応が抜け落ちている.右側頭葉萎縮例については,1990年代より報告は続いており,左側頭葉萎縮例と比べて語義失語の頻度は少なく,相貌失認の頻度が高く,人格変化や行動障害が強い点が特徴と考えられている.2020年代に入り複数の概念の提唱があったが依然として統一されたものはない.議論の背景には変性疾患の臨床病理相関と疾患概念の問題がある. |
Keywords |
前頭側頭葉変性症, 前頭側頭型認知症, 進行性失語症, 右側頭葉, 行動変容, 相貌失認 |
別刷請求先 |
|
|