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論文名 右優位型意味性認知症の症候学~人格行動障害を中心に~
論文言語 J
著者名 佐藤 俊介
所属 医療法人松柏会榎坂病院, 大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
発行 神経心理学:40(3),187─194,2024
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要旨 右側頭葉優位萎縮例の前頭側頭型認知症(FTD)についての概念や用語体系は一貫していないが,概念が変遷していく中で,左優位萎縮例よりも行動異常が重度であることが指摘されてきた.特に脱抑制や複雑性の常同行動,共感性の欠如,アパシーが病初期から目立つことが報告されている.そして画像解析を行った研究報告から,FTDにおける脱抑制や常同行動には,右優位に前頭葉眼窩面や島皮質,側頭葉前方・内側などの障害が影響していることが考えられ,右側頭葉優位萎縮例においても同様の部位の障害が関与している可能性が推測される.しかし右側頭葉優位萎縮例で見られる症候の脳内基盤に関する研究は非常に少なく,今後の進展が望まれる.
Keywords 前頭側頭葉変性症, 前頭側頭型認知症, 意味性認知症, 右側頭葉優位型前頭側頭型認知症
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