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論文名 外傷性脳損傷後のPTSD
論文言語 J
著者名 野路井 未穂
所属 横浜市総合リハビリテーションセンター
発行 神経心理学:40(4),261─267,2024
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要旨 従来,外傷性脳損傷後の心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,外傷後健忘が生じているために発症しないとされてきたが,多くの先行研究で外傷性脳損傷後のPTSDが報告されている.今回,高次脳機能障害のリハビリテーション目的で受診した後,PTSDを同定した上で治療対象とすることで,リハビリテーションが促進された症例を経験した.症例を通して,外傷後健忘が短く,予後が長期的に不良な場合は,神経心理学的症状だけでなく,PTSDを含む精神症状の評価が重要であることが示された.さらに,神経心理学的症状と精神症状の両方に配慮した関わりが,当事者の安心感に寄与し,必要な治療に至れた可能性が示唆された.
Keywords 外傷性脳損傷, 交通外傷, 心的外傷後ストレス障害
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