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論文名 情動と記憶─アルツハイマー病患者での検討─
論文言語 J
著者名 数井 裕光
所属 兵庫県立高齢者脳機能研究センター臨床研究科, 現所属:大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
発行 神経心理学:18(3),150─156,2002
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要旨  アルツハイマー病(AD)患者に対しておこなってきた情動と記憶についての研究を紹介した.まず,阪神淡路大震災を体験したAD患者について,震災の記憶とMRI検査の記憶とを比較した.その結果,AD患者でも震災の記憶の方がより高率に思い出せ,情動による記憶の増強効果が推察された.次に震災の記憶と扁桃体および海馬の体積との関係を検討した.その結果,震災の記憶は海馬よりも扁桃体との関連が強く,情動性記憶と扁桃体との関連が示唆された.さらに統制された情動性記憶課題を用いて軽症AD患者の情動喚起による記憶の増強効果を健常人と比較した.その結果,AD患者では健常人と同等の増強効果を認めた.最後に情動喚起による記憶の増強効果と視覚性記憶との関連を検討したところ,この2つには密接な関係があった.さらに情動性記憶のメカニズムと情動性記憶研究の臨床的意義についても論述した.
Keywords 情動, 記憶, 扁桃体, アルツハイマー病
別刷請求先 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2 D3 大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室


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