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論文名 中・下前頭回後部病巣による失語と仮名錯書
論文言語 J
著者名 関 理絵1), 石合 純夫2), 小山 康正2), 佐藤 志津子3), 関 啓子4)
所属 1)総合病院土浦協同病院言語室
2)東京都神経科学総合研究所リハビリテーション研究部門
3)東京医科歯科大学神経内科
4)神戸大学医学部保健学科
発行 神経心理学:16(2),127─134,2000
受付 1999年7月15日
受理 2000年1月5日
要旨 中・下前頭回後部を主体とする病巣により,失語の改善にもかかわらず,仮名の錯書が持続した3症例について報告した。3症例に持続してみられた仮名錯書は,失語とは独立して生じた可能性が考えられた。書字検査の結果,仮名の誤りは,他の文字への置換,拗音・濁音の誤り,脱落,付加,繰り返し,位置の移動に分類された。
言語性優位と考えられる大脳半球の中・下前頭回後部を主体とする病巣では,高頻度に仮名の錯書が生じると考えられた。仮名書字の過程において,同部が文字の選択や配列の過程で重要な役割を果たしているのか,また少なくともこの部位にアクセスしている可能性が考えられた。
Keywords 前頭葉, Exnerの書字中枢, 仮名, 錯書, 失語
別刷請求先 〒 300-0053 茨城県土浦市真鍋新町11-7 総合病院土浦協同病院言語室 関 理絵


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