論文名 |
半側空間無視における図形模写の偏りの診断的意義:BIT行動性無視検査パソコン版を用いた遂行パタンの分析 |
論文言語 |
J |
著者名 |
関 理絵1)3), 石合 純夫2)3), 小山 康正4), 関 啓子5), 岡田 恒夫1) |
所属 |
1)総合病院土浦協同病院リハビリテーション科
2)札幌医科大学医学部リハビリテーション医学
3)札幌医科大学大学院医学研究科
4)東京都心身障害者福祉センター多摩支所
5)神戸大学医学部保健学科 |
発行 |
神経心理学:24(2),146─154,2008 |
受付 |
2007年6月7日 |
受理 |
2007年10月10日 |
要旨 |
BIT模写試験は,左右のバランスと描き落しによって採点され,模写の位置は問わない.我々は,BITパソコン版を用いて,健常人,半側空間無視のある右半球損傷者および無視のない右半球損傷者の図形模写の遂行パタンを比較検討した.無視患者では,星,花,3つの幾何学図形は,形が正しく描けても中心の位置が右方に偏位し,重度であるほど偏位量が大きくなった.診断的には,中心の位置が星で5.7 mm,花で4.7 mm, 3つの幾何学図形で4.4 mm以上右方に偏位している場合に無視の存在が示唆される.立方体はやや左方寄りの模写位置となり,左上から描き始める手順の影響が考えられた.また,3つの幾何学図形の模写は,全体が左右方向に圧縮される特徴がみられた. |
Keywords |
半側空間無視, BIT行動性無視検査, 模写試験, 偏位量 |
別刷請求先 |
〒300-0053 茨城県土浦市真鍋新町11-7 土浦協同病院リハビリテーション科 関 理絵 |